低気圧のせいで頭痛や倦怠感がひどい

「低気圧のせいで頭痛や倦怠感がひどい」という言説が最近流行っていますね。
  
この前、鬼滅の刃の『無限列車編』を観るために久しぶりにテレビをつけたら「低気圧による頭痛ならこれ」みたいな感じで薬のCMが流れていたので「頭痛薬もそんな言い回しで売られるようになったのか」と大衆の身体の劣化ぶりを感じました。
 
 
私が整形外科に勤めていた頃でも(16,7年前)「湿気で膝が痛い」というようなセリフは、主におじいちゃんやおばあちゃんが言っていたセリフです。今や若者まで湿気に弱くなってしまったのかと。もちろんこういうのも「病のアイデンティティ化」と同じことで、ネットで不調を言いやすくなったからというのがあると思いますが、言いやすくなったことで「自分は低気圧に弱いんだ」と思い込んでプラシーボ効果を招いている人も中にはいるのではないかと危惧します。
 
低気圧で身体が疼くのは、低気圧のせいではなくて、身体がちゃんとしてないからです。もちろん全員がそうだとはいいません。大怪我をしたり、手術をしたことがある人などが調子が悪くなることは十分あり得ます。でもそういう人ですら身体を整え、身体の使い方を学べば症状を改善できる可能性は大いにあります。
 
私自身、20歳のときに交通事故を起こしむちうちした経験があります。山道の急カーブを時速60km以上出して曲がりきれずガードレールにぶつかり、エアバックが出て車は一発廃車しました。事故から数週間は、少しでもうつむいた状態を1,2分続けると、首を支えきれなくなるようななんとも言えない疲労感が発生していましたし、半年後くらいまでフラッシュバックはありました。でも今、全く後遺症はありませんし、低気圧の影響も受けないです。
 
むしろ低気圧と生理初日が重なると、少し身体が重く感じるときはたまにありますが、全集中でスーパースローの2番グランプリエを1,2回ほどすれば一気に解消されます。(←普段から訓練をしているため動きの質がかなり高く、そのため1,2回で症状が解消されるんです)ちなみに昨日ちょうど、生理初日&寝不足ですが全くだるさなしです。その前日がバレエの稽古だったので、なんならすこぶる調子が良いです。
 
低気圧問題は特に背骨の状態が大いに関わります。(たくさんの生徒さんを施術してきた経験による推測です)日常生活では背骨を伸展する(背反らし状態)機会がなかなかありません。最近はさらに、スマホやデスクワークでますます背骨の劣化/老化がひどい方が多いです。姿勢の悪さを指摘する大人がいなくなったし、姿勢を良くする=ダサいor体育会系=軍隊的教育と連想されて懸念を抱く人もいるでしょう。そういう色んなステレオタイプやらバイアスやらに影響され、自ら不調を招いてしまっている。私の目には「不調は呼びこむけど、自らは解消しない」という態度に見える人が多くて本当に驚きます。
 
それだけ自分の身体のために労力をかけることが嫌いな人が多いんだろうなぁと思います。私からすると、ちょっと身体の勉強すれば軽やかな身体になれるのに、不調を不調のままにして、改善できるということを知らないのか、改善できるとわかっていても面倒だから不調を選んでいるのか、一体どういうことなんだ?と思ってしまいます。
 
簡単に言うと、ブリッジをすると背骨の機能は回復します。若い人は単純にブリッジすればいい。若くない人、ブリッジがすでにできない人は、プロの手を借りて改善し、プロの指導による機能回復レッスンをするのがやはり一番おすすめです。自力ではゆがみを改善できない状態になっている人が多いからです。