20歳からバレエをやってきた理由

久しぶりにバーレッスンに集中できました。

動画はInstagramにて
 
私がバレエを勉強し始めたのは20歳の頃です。
 
私は当初、立派な治療家になることを目指していたので、まずは解剖学を理解すべく、座学の勉強と共に実地の勉強としてクラシックバレエを勉強し始めたわけです。
 
 
17歳の頃、体操部の先生に無理やり開脚をさせられて右の内転筋が切れ、1週間ほど部活ができなかったことがあり、それ以来ずっと開脚可動域は90度くらいになっておりました。(元々関節が柔らかい方だったので先生もできると思ったのでしょう。でもテニス部で厳しい部活動をこなしていた当時の私の骨盤はかなり歪んでいたので無理がありました)。
 
でも解剖学を学び、股関節がどうあれば良いのか理解した上でクラシックバレエを学び始めると瞬く間に股関節の可動域が回復し、半年後くらいには故障する前の可動域を超えてほぼ180度開脚ができるくらいにまでになりました。
 

これが、故障から回復、そして向上までの一連のプロセスを身体で学んだ最初の体験です。
 
「使い方次第で身体は劇的に回復できるのだ」ということを身をもって学びました。
 
今となってはほとんど成長しないバレエをやっていますが、やり続けている理由は、後に師から「君はバレエをずっとやり続けた方が良い」と言われたのでその言葉をずっと守っているんです。
 
バレエは私の身体に一番最初に入ってきた「動きの指針」です。あらゆる動きに通ずるので、「人の身体はどのように動けば良いのか」という問いに対する一定の答えを持ち合わせています。
 
例えば腰椎は腹筋と背筋の両側から支えなければいけませんが、反り腰など姿勢が悪い人は腹筋がうまく使えず、背中の筋肉ばかりに負担を強いるので、腰を痛めてしまうわけです。
 
それは腰椎の本来の支え方ではないから故障するわけです。
 
バレエでは各筋肉が本来の働きをしないと綺麗に踊れないので、動きに関わる筋肉が総動員してそれぞれの役割を果たさなければバレエは成立しません。
 
なので難しいわけですが、だからこそ、バレエという神経回路が身体にインストールされると、バーレッスンをやるたびに必要な筋肉が必要な分だけ働くことになるので、すごく、気持ちいいのです。(末端まで血が通う感じが特に気持ちいいです)
 
バレエの筋肉痛は、筋トレ系の筋肉痛とは全く違います。
 
主にインナーマッスルが働くので、関節の付け根など、筋腹ではなく筋の腱の部分が筋肉痛になります。このときバレエの筋肉痛は、筋肉痛なのに身体は軽く、関節を最大可動域までスムーズに動かすことができます。
 
バレエの筋肉痛を感じている間はボーナスタイムで、たとえ姿勢を崩した状態をしばらく続けていても、疲れたり痛めたりはしません。筋肉痛という「しつけ糸」が各関節をすぐニュートラルポジションに戻してくれる感じです。(若い身体は特にそれが顕著にわかるはず)
 
あといわゆる「ストレッチ」では伸ばすことができない筋肉の伸びも、バレエの動きで得られるので、それも気持ち良いです。(特に腕の動き。私の右腕はおそらくテニスによって歪んでいるので、アラセゴンドを正しく行うとそれだけで上腕二頭筋が必要な分だけストレッチされます)
 
と、まぁ身体に軸ができたり、血が通ったり、痒いところに手が届くがごとくいい具合に筋肉が伸びたりと、色々気持ちいいので好きなんです。
 
もちろんバレエの優雅な美しさも好きです。これは誰かのを見てそう思うというより、自分で動いていてそう思うという感じです。 
 
「踊りの美しさ」の話になると、正しく動けば良いってものでは全くないので、また別の話です。
 
バレエは面白いけど、一般の方には難しいです。
だから誰よりも噛み砕いてバレエの動きの要素をお教えしています。


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