バリセミナー2019を振り返って

一昨日、バリ島から無事帰国しました。バリ島へは今回で6回目の外遊となります。毎年少しずつ街並みが変わっていくのを感じたり、西洋人の数が増えているのを感じたり、テクノロジーが導入されていくのを感じますが、日常的に行われている祈りや華やかに行われている祭りをたまに目にすることがあったり、また、都市部の渋滞と、そこを”華麗に”運転するバリ人の技術の凄さはずっと変わっていない気がします。

 

今回のバリセミナーは、今までと違うホテルを利用しました。
  

  
  
 


 

 
ヴィラを貸切で利用したのですが、私たちよりスタッフの人数の方が多いという環境で、スタッフの方は優しい方ばかりで、私たちの細かい要望にもたくさん答えていただき、とても過ごしやすかったです。
 

 
・「私」という存在は幻想
・「時間」とは本来、一直線ではない
・現状の外にある未来を認識するからこそ、その方向に自分が流れていく
・過去は一切関係ない
・宇宙を想像すれば、人間の営みは意味はないけど、意味がある
・社会(法内/言語)と世界(法外/言語以前)について
・桃子が考える「身体性」について
 
このようなことを伝えた上で、ボディやマインドワークを行なっていきました。
 
 
今回のテーマは、「身体性を回復する」「心身ともに自分を認識し、編成し直す」ということを目的において取り組みました。「認識」するということは、社会の中で、自分を見失わず生きていくために、とても重要な鍵だと、最近、改めて感じています。
 
 
現代社会では、自分の身体をきちんと認識できていない人がとても多いです。私は、レッスンを行う際、必ず現時点でのボディチェックを行いますが、その際、自分の身体がどういう状態なのかということを、正確に認識できない人もちらほらいます。当人より、私の方が、当人の身体を把握しており、また、本人が自分の身体を動かすより、私が本人の身体をコントロールする方が、美しく動かすことができるのです。
 
 
「今、自分がどういう状態なのか」ということを認識する訓練は、身体にも、内面にも役立ちます。「意識」とは、「自分の反応に対する反応に対する反応…」によって生じます。これは、3000年ほど前に「文字」が普及したことによって、生まれました。
 
 
普段、身体を何気なく使って生活していると、どんどん「無意識の使い方のくせ」が生まれていきます。これを「意識」によって、修正していくのが私のメソッドの特徴です。そのため、私のメソッドは、自分が自分の身体を全てコントロールできるスピードで行います。つまり、超スローモーションの動作を何度も練習するのです。
 
 
歩き方を教えるときも、全ての動作を「言語化」することで、その箇所に意識を向け、「今、自分がどう言う状態なのか」を完全に認識してから次のステップに進むということを行います。すると、誰でも美しく歩くということはできるようになります。(練習量は人によって異なります)
 
 
このステップを、内面を見つめるときにも使います。何に苛立っているのか、何に悲しんでいるのか、何に喜びを感じているのか、内面にあるのはどういう感情なのか。優越感なのか、不安を埋めるための偽物の自己肯定なのか、惨めな気持ちなのか、羨む気持ちなのか、損得勘定なのか…
 
 
一つの記憶には、あらゆる事情が複雑に絡み合っています。それを整理整頓して、「何に違和感を感じているのか」を認識すると、記憶に紐づいていた感情が変わっていきます。それによって、過去の傷が傷でなくなることもあります。
 
 
そうやって、自分の内面を整理整頓した上で、「これからどうするのか」を考えていきます。このステップを定期的に行なっていくことで、常に、内面と行動が一致した人生を歩むことができます。私自身は、この作業を定期的に行い、自分の内面と一致しない行動を一切しない生活をしています。このスキルを生徒さんたちにも磨いてもらうために、サポートをしています。
 
 
身体の歪みも、放っておくとどんどん助長されていきます。内面のズレも、放っておくと、どんどんズレが助長され、何が自分の喜びで、何が目的だったのか、わからなくなってしまいます。感じることをやめた期間が長いと、修正にそれなりに労力がかかります。身体も内面も、微調整やメンテナンスをする手段がわかってきているのですから、時にそういうものを利用して、本当の目的を見失わないように、ダイナミックに生きてほしいなと思います。