故障は筋力だけではカバーできない

昨日はフットセミナーでした。今回は、オーストラリアから参加された方もいらっしゃいました。情報を求めて実際に足を運んでくださり、とても嬉しく、有り難いなと思います。
 
 
このセミナーはものすごく緻密な内容なのですが、皆さんがんばって理解されていました。
 
 
足の骨の構造と壊れ方を理解し、足の細かな関節や筋肉の機能の回復・向上をするための、様々なアプローチ法を学んでいただきました。特にテーピングの指導は、骨のねじれ方と正しい方向への理解が必要な上、ある程度、技術力が必要な方法なので、みなさん、苦戦しながらも、一生懸命理解しておられました。

もう一つ、一般人の多くの方は、足裏の筋肉がきちんと使えないが故に、かかとの位置が大きく歪んでいます。これは、大腿骨が内旋しているのと連動しており、バレリーナの股関節と足の使い方とは真逆の方向になります。(簡単に言うと、「一般人はカマ足、バレリーナは逆カマ足」のことです)

そこの正しい使い方を、バレエや骨や筋肉の知識がない方に、1回の講座で理解していただくのはとても難しいことなのですが、今回はそこにチャレンジしました。実は、股関節をバレリーナと同じ使い方に変えていくには、かかとのカマ足問題を解決することが大切です。でもこれが、歪んでいる人にとっては全く使ったことがない方向にかかとを動かすので、感覚で覚えるのは結構難しいのです。でも、今後、ここを理解してもらうことを目標に、指導をしていこうと今回のセミナーを実施して思いました。

(ちなみに、一度、逆カマ足の使い方が理解できると、忘れることはありません。先生から指導を受けなくても、自力で再現できます。)
 
足は身体の土台であり、全身への影響力はとてつもなく大きいです。足の変形を少しでも改善することは、衝撃の分散に大きく変化をもたらし、足裏の筋肉をどこまで発揮できているかで、全身の軸の安定性や体幹の強さ、各関節への負担の度合いなどが多いくことなり、故障やパフォーマンスの発揮にも大きな影響を与えます。
 
私が夏嶋先生から学んでいた24歳くらいのころ、サッカーの元全日本代表の方が、「負けたらショックなので」と、私と接触プレーの対決をするのを断られました。もちろん、夏嶋先生の元に来ているわけですから、彼は故障中ではありましたが、身体の大きさや筋肉量だけでは、自分の身体を守れないということを肌で感じられたのかもしれません。ヒントは、「重力に対して、自分の骨格をどの角度でどのように支えるか」ということが体幹の強さに関わります。

ちなみに、サッカー選手のような、前後、左右、上下など、全方向に動かなければならない競技の方は特に、母指球に体重をかけてターンを行い続けると、膝を故障する確率がかなり増えます。母趾の先端を地面につけ、そこを軸にターンができていれば、全く問題ありません。ちなみに母趾の先端でターンするか、母指球でターンするかでは、ターンする側の肩の使い方やターンする時の重心まで変わります。でも、こういうことを知っている選手がどれほどいるでしょうか、、、

でも、この身体の使い方の知識は、一般の方にこそ必要とも言えます。なぜなら、アスリートは、競技性によって、同じ動きを反復するので故障するポイントが限られます(例:ピッチャーは肘、ラグビーは肩・首、ゴルフは腰(背骨)、サッカーは膝など)が、一般人は同じ動きの反復がなく、複雑に身体を使うため、歪み方がより千差万別になります。それはつまり、一度故障すると、複雑な壊れ方をしていたり、原因となる動作がわかりづらいため、治すのが厄介ということなのです。
 
だから、このような身体の使い方をその機能を失う前に知り、温存、もしくは回復させることを学ぶのは、とても価値あることだと思います。
 
〈フットセミナー参加者からの感想〉
桃子先生、愛里さんの丁寧、熱心に指導を頂けることにいつも感謝しています。
参加回数が増えるごとに、私なりの小さな気つき、発見に出会え、セミナー終了後もっと身体のことについて勉強しなければと….又セミナー翌日の筋肉痛を感じながらも、効いているところ、イヤ!違うここじゃないんだ!ここなんだけど!どうしたら?とか体感出来てもっと身体のことをしりたくてはまってます。

・・


(私の足指で挟む筋力の強さを体感してもらっている様子)