ゆがみの概念について

身体のゆがみに対する概念は
未だ統一されておらず、
一般の方はもちろんのこと、
身体の専門家同士の間でも
認識レベルは様々です。

   
例えば、プロ、または現役のバレエダンサーは
素人目には全くわからない誤差まで「違和感」と感じます。

その違和感を無視していると、故障に至ったり、
最大パフォーマンスの発揮に影響が出てしまうからです。

少しのズレも許さないというのは競輪選手も同様だそうです。

サドルやハンドルなどの左右のズレはもちろんのこと
それぞれの位置関係が自分の身体と合っていなければ
同じく故障に至ったり、パフォーマンスの発揮に影響が出てしまうからです。

身体のズレについての認識は、ダンサーやアスリートでも、
種類や特徴によってそのレベルは全く異なります。

一方、あらゆるジャンルの施術者や医師など、医療の中ではどうかというと、
こちらもかなりの認識のズレがあります。

特に、医師は大きく変形しないと、ゆがみだとは捉えない傾向にあると思います。

レントゲンを見て「骨に異常はない」という言葉をよく耳にしますが、
それは「ゆがんでいない」という意味では決してなく、
軟骨や靭帯、骨の損傷やおかしな影などが写っていないという意味であると考えます。

施術の分野でいうと、カイロプラクティックでは
「サブラクセーション」「フィクセーション」という言葉があり、
医師が「ゆがみ」だとは認識していない範疇の、かなり細かいズレも認識しています。

サブラクセーションとは、亜脱臼という意味ですが
一般的な亜脱臼という意味ではなく、医師が「ゆがみ」とは捉えていないような、
細かなズレに対して使っており、カイロプラクティック独特の用語として使われています。

フィクセーションは、変位固定という意味で、関節がズレたまま固定されてしまい
その関節のある方向の動きが失われた状態のことを指します。
(例:足の小指の末端の関節が動かない状態)

ただし、日本に存在するカイロプラクティックのレベルや内容はピンキリであるため、
カイロプラクティックという名前が付いていれば、術者が同じ概念を持っている
というわけではありません。

私自身は、バレエを研究しており、多少のカイロプラクティックの知識があるため
ゆがみに対する認識は最も高いレベルにあると思います。

生徒にレッスンをするとき、このゆがみの概念に大きな差があり
それが身体を変えるエクササイズを行なっていく上で妨げになるため、
少しずつ私のゆがみに対する概念をお伝えしています。

例えば「私、多分骨盤がゆがんでいるんです」と、生徒が訴えてくる場合、

(ゆがみなんて、体中にあるんだけどな)
と、心の中で思いながら、その認識を少しずつ変えていく説明をします。

また、私が生徒に対して「○○がゆがんでいる」というと
「え!!」とすごく驚かれる方がいます。

そういうときは、「ゆがみは誰にでもあります。私もゆがんでいますからね」と伝えたりします。

カイロプラクティックの用語を使うのであれば、
サブラクセーションのズレは、ある程度の改善の見込みがある関節です。
フィクセーションのズレは、ほとんど改善が難しい関節です。

ただし、その固まった関節を曲げた時、関節に痛みを感じる場合は
若干の可動域の改善、機能の改善が見込まれます。

が、曲げても痛みを感じない場合は、完全に関節が癒合してしまっているので
おそらくほぼ不可能という具合です。

身体中の全ての関節は、必要だから存在しており、曲げるために存在しています。

だから、関節が正常に曲がらない状態とは、その分の身体の機能を失っているということです。

機能を失ったということは、その分、ゆがみがあり、ゆがみがあるということは、
その周辺の血管やリンパ管、神経、毛細血管などにも影響があり、
様々な影響によって、パフォーマンスの低下が起きているということです。

ただし、医師はその部分を異常とは捉えていないため
それがどれだけ患者の症状に影響していたとしても
概念自体がないため、何の対応もできないのだと思います。

ここでは医師を批判したいということではなく、
医師は医師の得意分野があり、施術者やトレーナー、インストラクターによっても、
その認識はジャンルというより、個人個人によって違うということが実態としてあるため、

一般の方がどの専門家に頼るかを選択するときの材料としてこの情報を書いています。

私自身はあらゆるメソッドは人間が作ったものであるため
完璧なものは一つもないと考えています。

そのため、私はあらゆる要素を使って、その生徒の身体の特徴を細かく把握して
独自の指導をしています。

また、私自身が生徒に、施術やエクササイズ指導をするときも
狙いとは違う結果が起きることは多々あり、考えても、
なぜそういう結果が出るのかがわからないこともたくさんあります。

それほど、身体は人によっても効果があるものと、そうでないものが分かれ、
統一ができないため、指導する側の経験値や技術、知識によって
得られる成果が異なるということです。

同じ手技でも、矯正法でも、その人の骨格において、
どの角度で、どの圧力で、どのように力を加えるかによって、結果は異なります。

そのような実態があるため、本来は、人の身体を触る全ての分野において
ゆがみの概念を統一させる必要があると感じています。
 

 
DBトレーナー養成コース2期生
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