身体づくりを我流でしない方がいい理由

パーソナルレッスンで生徒さん会話していると、あることに気づくときがあります。

それは、〈身体に対する見方の違い〉であり、簡単に言ってしまえば、〈身体に対する知識の圧倒的な違い〉です。
 

 

しかもこれは、生徒さんが単に勉強不足ということではなく、もっと根源的なところから身体に関する正しい知識が流通していないと感じるのです。それは他の分野でかなり優秀なエリートですら、身体のことに関しては全く素人同然で、そのことに私自身もショックを受けることが多々あるので、これは個人の問題ではないと思っています。
 
そしてその多くはネットなどで気軽に検索して見つかるような知識・情報ではありません。でも、その知識・情報が実際に身体づくりで成果を出したり、身体の不調を改善するためには重要なことであったりするのです。
 
逆に、ネットで気軽に検索して見つかる情報は、真理を見えなくさせる情報ではないかとさえ思ってしまうことも多々あります。
 
例えば英語なら、英語を話せる人と全く話せない人とが英語についての会話をしたとしても、ある程度の基礎知識がありますから、そこまでのギャップを感じることはないと思います。
 
しかし、身体については、間違ったことを正しいと考えているとか、全く関係のないことを原因だと考えているとか、それくらいのギャップがあるのです。
 
別の言い方をすると、例えば「カレーライス」の写真をみて作ろうと思うとき、「あの茶色はカレーのルーの色」という前提知識がありますが、身体づくりにおいては、その前提知識すらない状態でカレーライスを作るくらい、何も知らないまま努力をしてしまうといったことが起きていると思うのです。
 

しかも厄介なことに、生徒さん自身は、自分の知識・情報のどこに間違いがあるのかを知るすべがなく、プロ側の私も、生徒さんがどこまで勘違いをしているのかを把握するには、会話の中での微妙な認識のズレを見逃さずに、生徒さんが言葉にしていないことを理解しようとしないと、間違いであることを認識できません。そのためお互いが気づけないといったことがおそらく多くの現場で起きているのだと思います。
 
例えば、先日のレッスンではこんなやりとりをしました。
 
その生徒さんは、筋肉の硬さについていくつか質問をされました。
 
「筋肉は柔らかい方がいいのですか?」
 
そう聞かれると、私は、
 
・筋肉が硬い状態とはどういうもので、どのように身体を使うと硬くなるのか
・筋肉が柔らかい状態とはどういうもので、どのように身体を使うと柔らかくなるのか
・その上で、こういう身体を目指す人は硬い筋肉も必要、また別にこういう身体を目指す人は柔らかい方がいいですね
 
ということを回答します。
 
しかし、その生徒さんの身体を触ると、その方の筋肉は大して硬くありません。
 
そこで、この方は一体、何が知りたいのだろうか?と思いつつ、お話を続けました。
 
いろいろお話をする中で、生徒さん自身が自分の身体の不調や違和感の原因を「筋肉が硬いからだ」と思い込んでいるからそのような質問をしたのだということがだんだん見えてきました。(ここは生徒さんが言葉にしていないことなので、理解するのに時間がかかる)
 
そこで私は、「あなたは自分の筋肉が硬いせいで不調を感じていると思っているようだけど、そうではないよ、こういう傾向があるから、こういうことを努力すると良いよ」というアドバイスをすることができました。
 
このように、生徒さんが自分の身体の悩みを解決するために一人で考え判断することは、下手をすると全くお門違いない努力をしてしまうという結果を招きかねません。
 
それは、ネットや本で読んだ情報などが、自分の身体に当てはまるのかどうかを判断することが難しいということもありますし、前述のとおり、そもそもネットや本の情報自体が表層的な知識のみで、真の正解を余計に見えなくさせてしまうということもありえます。(申し訳ないけれど、無料の情報はほとんど役に立たないと思います。身体は一人一人違うので、簡単な動きでも人によっては難しいことが多々あるからです)
 
私が扱っている範疇の知識は、もともと大衆受けするものではないとは思っていますが、一方でテクノロジーがこんなに発展しているのに、身体に対する知識はなかなかアップデートされず、一般に知られていないことや、身体の知識は身体づくりが好きな人だけが勉強すればいい知識だと思われていることは、本当に色んな意味で悔しいです。
 
言葉だけでは理解が難しいところも、理解が進まない要因だと思います。
だから、私のメソッドをよく学んで実践してくださっている方は、実践者として体感したことをなるべく正確に言語化して、人に伝えることをやっていってほしいなと思います。