
私は、身体づくりの指導を通して、色んな生徒さんと出会います。
パーソナルレッスンやバリセミナーなどでは、ひとりひとりと深く関わるスタイルでやっているので、色んなお話をする中で、色んな人生があり、世界観があることを肌で感じています。
その中で、たまにとんでもない業者と出会ってしまい、振り回されてしまった方と出会います。
一つは、脚やせエステに、家が建てられるほどのお金をつぎ込んで、全く成果を得られなかった方。
そしてもう一つは、悪徳心理カウンセラーに相談して、二次被害を受けた方。
この2つの共通点は、人の不安に漬け込んで、無責任に客の身体や心に傷をつけたということです。
まず、脚やせエステについて。
私にはエステ業界の生徒さんも多数いらっしゃいます。美容の研究の延長で、身体の使い方を学びたいと思って私の元にこられている方々です。彼女らはとても真剣に、美容の研究をしています。だから、エステ業界自体を批判したいのではありません。
私が生徒さんから伺った、脚やせエステの特徴は「水を徹底的に飲ませない」というやり方です。理由は「水を飲むとむくむから」とのこと。半身浴や、身体を温めて汗を出したあとも、水分をとってはいけないと言われ、夏場でも「どうしても飲みたくなったら氷をなめて」というようなアドバイスをする業者がいるようです。
その方法で一時的に細くなれたとしても、普通の生活に戻して水を飲めば、すぐ元に戻ってしまいます。冷静に考えれば、そんな無理のあるやり方でしか細い脚を維持できないやり方はおかしいとわかると思いますが、脚に強烈なコンプレックスを抱いている人は、冷静な判断ができず、また、誰にも相談できないが故に、止めてくれる人がいないということも重なって、長年、依存してしまう人もいるようです。
エステを好む人の中には「運動は嫌い」「苦手」「面倒」「辛い・しんどい」というようなイメージを持っている方も多いのかなと思います。
でも、私が知っている身体の世界は、「理にかなった動き」をすれば、身体は循環するので、元気になるのです。私は、背骨の矯正を行った上で、足のアーチが崩れないテーピングを巻いて、クラシックバレエの稽古をします。そうすると、3レッスンを行った後でも、全身に血がめぐって、「よっしゃ!!!」と走りたくなるようなくらい、元気になってしまうのです。それはまるでエナジードリンクを飲んだ状態と似ています。
運動嫌いになるのは、学校の体育の授業で嫌な思いをしたことがあるというのも、原因の一つかもしれません。本来、身体を動かすことに「競争」は不要なのですが、体育の授業では、どうしても運動神経の良い人が優秀とされ、どんくさい人が劣等生とされます。本当はそんな優劣はどうでも良いのに、そこで変な思い込みが生まれてしまうように思います。
このような仮説が多くの人に当てはまるなら、私はトレーナーとして、多くの人の「身体を動かす」ということに対する苦手意識を、緩和していくことも、使命の一つだと感じます。
身体は、適切に使えば、必ず答えてくれます。成果が出ない場合は、何かしらやり方が間違えているはずです。また、一時的に成果が出る手段で、死ぬまで維持することはできません。身体の使い方を変えたり、生活習慣自体を変えないと、同じ身体の使い方・生活習慣では、必ずリバウンドしてしまいます。そのことをもっとよく考えてほしいです。
書いていると、ついつい長くなってしまいました。
悪徳心理カウンセラーによって、二次被害に遭った方のお話は、次回に書きたいと思います。
人は、よかれと思って、相手に対して逆効果になることをやってしまうことがあります。人間が人間に対してやることだから、ある程度は致し方ないこともあると思います。しかし、もし、その人に良心があれば、相手が何も成果が出ていない方法をやり続けるということに対して、違和感を持ち、立ち止まって見直すことができるはずです。「私がやっていることは間違っているかもしれない」という意識を持たないで「私がやっていることは正しい」と鵜呑みにしてしまうのは、とても危険です。
セラピストであれ、トレーナーであれ、心理カウンセラーであれ、占い師であれ、教師であれ、コーチであれ、自分が用いているメソッドが完全なものであり、万人に通用すると思っているとしたら、その人は偽物でしょう。科学は常にアップデートされています。本当に優秀な人材であれば、見直して改良していくはずだと思います。