私が初めて開脚プログラムを作った10年前と比べると、今はあらゆるインストラクターが開脚の方法について発信していて良い情報も随分と増えたなぁとすごく感じます。
それではということで、私はちょっと視点を変えて開脚について書いてみようと思います。
●解剖学的、開脚の絶対条件
開脚の絶対的条件は「床の上で骨盤をニュートラルに保つこと」と、「その上で大腿骨を外旋位に保つこと」です。言葉で書くと二言で終わりますが、これが多くの人にとってとんでもなく難しいわけです。(これが叶わない要因が無数に身体に存在しているからです)
床の上で骨盤がきちんと立っていて、その上で大腿骨が外旋位にあることで、股関節を成す寛骨臼と大腿骨がぶつからずに上体を前に倒すことができます。
これができていない状態で開脚して上体を前に倒すのは、構造的に理にかなっていない動きなので無理やりやると故障を招き、とても危険です。
そのため床の上で骨盤がニュートラルに保てない人が開脚ストレッチを行うときは、「骨盤を立たせる意識」と「大腿骨を外旋する意識」をし続けるのはマストです。その意識が抜けた状態で身体を前に倒そうとすると故障を招きかねません。
●なぜ床の上で骨盤が立たないのか
骨盤を立たせるには「股関節の分離」が必要です。股関節の分離とは、骨盤と大腿骨がしっかり分離されていて、バラバラに動かすことができる状態のことです。開脚では基本的に、骨盤は不動、大腿骨のみが可動するという関係性が必要です。
骨盤が立たない人は普段から股関節が分離せず、ある程度くっついて可動しており、前ももの大腿直筋や裏もものハムストリングの伸縮性が低下し、固まっていたりしています。
また普段から大腿骨が内旋位にある人は仙腸関節にも制限がかかるため、それが股関節屈曲の可動性を妨げます。
さらに大腿骨の内旋とは、脛骨が大腿骨よりも外旋位にあることで引き起こされることもあるので、大腿骨だけの話ではないわけです。
さらにさらに「股関節の屈曲」には足指の付け根にある拳の関節(MP関節/中足趾節関節)の可動性(柔軟性)も大きく影響します。
と言うふうに、簡単に言ってしまえば骨格の関係性のこじれによってあらゆる関節で小さな衝突がおき、結果、骨盤が立たないという状況を生み出しているわけです。
たかが開脚、されど開脚。本当に成果を出すには、ノウハウやこういった解剖学的知識を理解するのはもちろんですが、自分の身体がどうなっているかを感じ取り、その上で正確に取り組むことが大切です。
●関係ないと思いきやとても関係があるポイント
1、呼吸
→呼吸筋は体幹のあらゆる部分に点在しています。呼吸筋はインナーマッスル。インナーマッスルは関わる関節をニュートラルポジションに保持する役割があります。呼吸を疎かにしながらストレッチするのはナンセンスです。
2、足裏の状態とMP関節の可動性
→MP関節の可動性を改善するためにも足裏は疲労がない状態でいることが望ましいです。なので桃子流としては開脚が目的であってもフットケアは必須です。
3、骨盤を立たせるという意味でのブリッジ作戦
→特に腰部の脊柱起立筋を収縮しやすくするために、ブリッジ系はおすすめです。ただし今度はブリッジ自体が難しくて自力ではできないという方もいるので、やり方は色々工夫が必要かもしれません。
4、ベクトル
→骨盤を中心として不動にし、そこから脚や背骨&肋骨、頭部が骨盤から離れていく方向に意識をし続けながら(かつしっかり呼吸しながら)行うと筋肉が必要な分伸び、関節にすき間が生まれていきます。
5、膝のねじれ(脛骨と大腿骨の関係性)
脛骨と大腿骨がねじれているとそもそも股関節も悪影響を受けるので、ねじれを取ることが大事なのですが、具体的に説明するとまたすごく時間がかかるので割愛します。
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ちゃんと説明しようとするとどんどん広がってしまうのでこの辺にしておきますが、何かヒントになれば幸いです!
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