\わかっているようでわかっていない/《身体のQ&A》

■ボディライン
ボディラインはなぜ個人差があるのでしょうか?
ボディラインは一人一人違います。
また同一人物でも、太ったり痩せたり、引き締めたりすることでボディラインは変化します。
 
 
Q:ボディラインを最も決定づけるのは?
A:骨(骨格)
 
筋肉やぜい肉のつき方によってボディラインが大きく影響を受けると考えている方がいるかもしれませんが、ラインを決めるのは「骨」の方が大きいです。「ボディラインが崩れる」とは=「骨が正しい位置にない」ということです。筋肉やぜい肉はその次に重要ですね。いくら筋肉を鍛えても、骨格が歪んだままでは美しいボディラインになることはできません。
 

 
■筋肉のはたらき
筋肉は何層にも重なって私たちの身体を覆っています。
深層筋と表層筋にはそれぞれ違うはたらきがあります。
 
インナーマッスル:骨を支える/保持する
アウターマッスル:力を発揮する/外部からの衝撃から関節を守る
 
●インナーマッスル
つまりボディラインが崩れないようにするには、インナーマッスル(深層筋)のはたらきが必要不可欠になります。ただし、インナーマッスルが発揮できる条件として「骨が正しい位置にあること」が挙げられます。となるとすでに姿勢が崩れている人はどうすればいいのでしょうか?
 
「骨が正しい位置にない」→「インナーマッスルがうまく働けない」
「インナーマッスルが働けない」→「骨(骨格/姿勢)が崩れる(歪む)」
この負のループをクリアする方法は後述します。
 
●アウターマッスル
ボディラインに関わるアウターマッスル(表層筋)の役割としては、その名の通り、「表層的(見た目的)なボディラインにさらに立体感を生み出す」ということが挙げられるでしょう。
 
 
■ボディラインの中身
『骨格+インナーマッスル(の発揮)+アウターマッスル(のつき方)=ボディライン』ということになります。
 
 
■ボディラインを整えるための処方箋
ボディラインを改善していくには2つのステップがあります。
 
ステップ1:骨格を整える
ステップ2:動きを変える/筋肉をつける
 
●ステップ1(骨格を整える)
骨格を整えるとはどういうことでしょうか。
これは文字通り「骨を動かす」ということです。
例えば、猫背の人は背骨が歪んでいます。
背骨を正しい位置で支えたいけど、インナーマッスルがうまく働けない環境にあるので維持できずすぐ姿勢が崩れてしまいます。
 
この状態を端的解決する手段が骨格矯正です。
もちろん「腹筋と背筋を鍛える」という手段も一つです。
 
でもいきなり鍛えるよりまずは骨格矯正の施術によって、筋肉が発揮しやすい環境にしてあげた方が、実はものすごく合理的で時短になります。
 
さらに「腹筋と背筋を鍛える」という手段の場合、プロの個別指導の元で行うなら良いですが、知識のないまま自力で行うと、ものすごく時間がかかるだけでなく、思うような結果が得られないか、最悪の場合、故障に至ることも多々ありますので要注意です。
 
歪んだ背骨を正しい位置に戻す骨格矯正を施す
→インナーマッスルが働きやすい状態になる
(この時点ですでに身体が支えやすくなっていますので、体感はとても軽く感じます)
→その上でステップ2に入る
  
↓これは筋肉をほぐしているのではなく、背骨と肋骨の矯正をしています

 
●ステップ2(動きを変える)
まず、そもそもなぜボディラインが崩れてしまったのかという最初の原因にさかのぼると、「日常生活での身体の使い方に問題があったから」という答えにたどりつきます。 
  
「テーブルに右肘をついてしまう」
「カバンを左で持つ」
「靴下を履くときはいつも右から」
「床に座って5時間ゲームをする」
「ソファでスマホいじりを数時間行う」
「テニスの部活動で毎日3~8時間練習している」
などなど
 
↓爆笑したときに腹筋優位だと前のめりに、背筋優位だとのけぞります
(この動きのくせには優劣はありません)

 
頻繁に同じ動きをすることで無意識の動きのくせが生まれ、それが何年も積み重なった結果、骨格が大きく崩れてしまうわけです。
 
なので、ステップ1で骨格を整えたとしても、崩れた原因となる「動きのくせ」が改善されない限り、身体はすぐ元に戻ります。なので「骨格が崩れない動き方/身体の使い方」を身につける訓練をする。すると、身体はアップデートされ、定着すればするほど二度と同じ状態には戻りません。→私はそれを「別人になる」と表現しています。そもそも細胞たちは1,2年で入れ替わるので「同じ私」は幻想なわけですが、動きのくせまで変えるとより「前の私ではない」ということが自覚されると思います。
 
●ステップ2.5(筋肉をつける)
練習時間が少ないほど身体は元に戻りやすくなりますから、別人レベルで動きのくせを変えていくには、ある程度の時間をかける必要があります。「くせ」はそもそも自分にとっては「自然な状態」なので自覚することができません。そのためレッスンで「ここが頭の正しい位置です」と指導すると「私には右に向いているような感覚です」と驚かれることもしばしばあります。つまり「骨の正しいポジション/正しい動き」が自分にとっては「盲点」になっているので、指導者の目を借りながら、時間をかけて本来の動きを定着させていく必要があるわけです。(その方がものすごく効率的に身体が変化していきます) 
 
ガイドの目を借りて自分の動きのくせを自覚し、日常の動きを意識したり、エクササイズで骨のポジションと動きを変える筋肉を定着させる。そしてアウターマッスルをつけたい方は、ある程度使い方が変わってきたところで、より負荷をかけたトレーニングを行なっていくと良いでしょう。(ちなみに私は自重負荷でできるエクササイズのみでトレーニングをしています。)
 
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なるべく簡単に書こうと思って書き始めたらやはり長くなりましたm(_ _)m
 
しかしこういう、細かいけど知っているか知らないかで全然結果が違ってくることを知りたい人もいるはず。私も自分の全く専門外の情報を検索すると、雑な情報だらけで結局欲しい情報に辿り着けないという問題に直面します。多くの人が同じことを問題視しているはず。私もどうしたら「こんな情報が欲しかった!」と思っている人に届けられるかというところで悩みますが、工夫して書き続けるしかないですね。