バレエのうんちく

今日はバレエエクササイズのワークショップを実施しました。
 
バレエを初めてされる方から大人から初めた方やブランクのある方、そして子供の頃からされている方まで色んな方が参加してくださいました。
 
 
私のレッスンは多分、他のあらゆる先生(ヨガであれピラティスであれバレエであれ)のレッスンと比べるととてつもなく細かいところまで口うるさく指導します。
 

例えば今日は「バーの持ち方を意識して」と、多分10回以上はコールしたと思いますが、それは全体をみて、まだ正しい感覚を掴めていない人が多いと感じたからです。
 
バーと身体の距離感が掴めていないと、そこから動きは影響されるので、「どのように立つか」「どのようにバーを持つか」というところから勝負は始まっているわけです。
 
バーレッスンはヨガやピラティスとは違い、音楽に合わせて自分の身体を思うようにコントロールしなければならないですし、その動きもヨガやピラティスとは比べ物にならないほど難しいです。
 
そもそも自分の身体を統御して動かすことからして難しいのに、身体の動きを音楽に合わせ、しかも自分の内側にあるものや、音楽(や作品)から感じるシニフィアンとシニフィエを含めて表現するとなると、ハイレベルすぎます(が、私はそれが大好きでワクワクします)
 
また、振り付けどおりに動けていたとしても、使う筋肉によって骨の動きや関節のポジション(アライメント)などが大きく影響されます。それによって動きの美しさ、表現力に差が出るわけなので、ただリズムに合わせて振り付けどおりに動けば良いというわけではありません。
 
このように、たとえ一見単純な振り付けであったとしても、動きの情報量が膨大すぎて、初めて取り組む人がすべてを理解して動けるわけがないというものがバレエなので、(そのように私はバレエを捉えているので)徹底的に身体の統御を重んじる方針をとっている私のレッスンでも、ある程度目を瞑らなければいけないところがどうしても出てきます。

 
もっと噛み砕いて本人が何かを掴めるように指導したいという気持ちは人一倍持ちつつ、でも一方で本人の認知を超えて身体が何かを掴むだろうという思惑も持ちつつ、私なりの全力投球レッスンを実施しました。
 
私は自分の視界に入った人の動きのくせがある程度わかってしまうので、グループレッスンになると、私自身に入ってくる情報量も膨大になります。良いレッスンを提供するって、奥が深いです。生徒さんが自分の身体や正解を理解することと、楽しいと思ってもらうこと、そのどちらも重要ですからね。教えることが目的になってしまうとダメなんだと思います。
 
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帰り際に「2年前に桃子先生の本を買ってバレエを始めたんです」という生徒さんがいらっしゃって、嬉しいなと思いました。きっとそれはバレエの先生では語れない(見えない)部分のバレエの魅力が伝わったからだと思ったので。

このような私の視座はバレエの先生方にはどのように映るでしょうか。私はバレエの先生たちと色んな話がしてみたいです。