正しい姿勢が保てない理由とは?

「正しい姿勢が大事だとわかっていますが、なかなか維持できません」
「足指が大事だと知っても、気づけばすぐ力が抜けてしまいます」
「ひたすら意識しつづけることや、練習をしていくしかないのでしょうか」
 
このような疑問に答えてみます。
   
  
正しい姿勢が保てないのはなぜでしょう?
それは、全身の骨のポジションが正しい位置にないからです。
 
例えば、外反母趾の足を想像してください。
親指の骨がものすごく変形した状態です。
 
変形した足の人に「もっと親指の先端を床につけて、土踏まずのアーチを引き上げて!」と言ったところで、本人もそうできるものならそうしたいけど、変形しているからうまく力が入らず、正しくできないのです。
 
これと似たようなことが、全身のあらゆる関節で起きています。
 
内股の人に「もっと膝を外に向けて!」と言っても、大腿骨が内側にねじれ、それに対してスネの骨が外にねじれて変形しているので、膝を外に向けたくても、うまくできないのです。
 
それはつまり、引っかかったまま動かない知恵の輪と同じ状態なのに、引っかかったまま動かせと言っているようなものです。
 
この、私の世界では超当たり前のことが、よその世界ではなかなか理解されていない気がします。
 
まずは引っかかりを改善し、スムーズに動かせるようになった上で、正しく身体を動かすためのエクササイズを正確に実践することが大事です。
 
普通の方が、自分の身体がどのようにゆがんでいるか、どのような動きのくせがあるのかは、本人ではわからないので、ちゃんとしたプロの力を借りながら、自分の身体の状態を把握することと、正しい動きを学び、関節の正しいポジションと骨の動かし方をきちんと理解し、身に着けることがもっとも効率が良い身体改善法です。
 
骨を変えれば、使える筋肉が変わり、さらに歪みが改善し、さらに正しく筋肉が使えるようになります。(好循環)
 
骨が変形すると(特に足の骨)、正しく筋肉が使われないので、疲労し、さらに変形が進行し、どんどん身体の機能を失っていきます(悪循環)
 
冒頭の質問への回答は、
 
・全身の関節の正しい位置(正しいアライメント)とはなんなのか
・正しい動きとはなんのか
・自分の身体はどのように歪んでいるのか
・自分の身体にはどのような動きのくせがあるのか
 
これらの課題をすべて解消していくことが大事です。
 
これらの理解がないまま「正しい姿勢をしなくちゃ」と努力をし続けるのは、本当にただの苦行みたいになっちゃいますよね。