食べ物を捨てる勇気

食事にまつわる悩みのあれこれについて、昨日、生徒さんとお話ししていました。その生徒さんは、とても気の優しい人で、いつも自分より相手に譲る長女タイプの方。
 
 
信頼している人の言うことを、素直に受け入れられる、素敵な性格の持ち主です。
 
 
だからこそ、痛みを伴う私の施術にも、甘んじて受け入れてくださいます。笑(足に遺伝的要素の高い変形をお持ちで、それを改善していくために必要な施術をするのですが、生活習慣で変形した場合より、遺伝的な骨格異常は痛みを伴う場合が多いのです。もちろん、患部の痛みではなく、正しいポジションに骨を動かす時の痛みです。)
 
 
そんな生徒さんなので、食事についても、周りの人についつい合わせてしまい、「食べたくない時に食べたくないものを食べてしまう」という悩みをお持ちでした。(ちなみに、「そんなの食べなきゃいいじゃん」と、単純に考えてはいけません。その人の価値観に沿った形で解決法を探らないとね。)
 
 
私は、「食べたい時に食べたいものを食べたい量だけ食べる」という、一見すると、「超・わがままスタイル」で食事を摂っています。心優しい生徒さんが、すぐに私と同じ価値観で食事を摂れるわけがありません。でも実は、「超・わがままスタイル」にも、大きな優しさが含まれているんです。私がわがままに食べる理由は、まず、「身体のため」です。私の普段の食事の摂り方は、自分の身体が元気になったり、喜んだりするかどうかが指標です。そのため、元気になる手段が「空腹」という場合もあります。
 
 
私が1日2食しか食べないのは、「消化器官を休ませる」という意図もあるんです。食事と食事の間を長く開けると、その間、消化器官は営業停止できます◎昨日は10時間以上空けてから2食目を食べましたが、その頃になると、私の身体さんが「桃子さん、そろそろ、いいですよっ!ガンガン働けますよっ!」と言ってくれている気がするのです。
 
 
そうやって、普段から身体に優しくすることで、病気や怪我が遠のき、それは真面目な話、医療費の出費額にも、ものすごく反映されいていると思います。だから、本当に本当に、今という一番若い身体のうちに、身体づくりをしておくことは、回り回ってあらゆる恩恵にあずかれるんですよ。故障や病気になってからでは、今よりも数十倍の努力がいるか、もしくは元に戻れないことだって当然あります。
 
 
文明がなかった頃の祖先(遊動民)は、そもそも「所有の概念」がありません。その時に食べる分だけを求めて、時間に関係なく、獲れた時に食べる。「明日の分を今日のうちに確保しなきゃ」という意識はありませんでした。(今でも生き残っている先住民族たちは、そのような価値観で生きています)私も、必要なものを必要な時に必要なだけ食べるという摂り方が、一番身体にとって楽だし、理にかなっていると感じます。
 
 
一方、現代社会では、「お腹が減っていなくても、時間が来たら食事を摂る」という人がたくさんいます。(もちろん、集団生活の中では、仕方のないときも多々あります。)休ましてもらえない消化器官さんの気持ちとしては、まるで、残業代の出ないブラック企業で働くサラリーマンのような気持ちかもしれません。(見返りのない)不必要な働きをさせ、余分なものを蓄え続ければ、病気になって当然とも言えます。
 
 
そして、食品を扱う企業は、売れるから、店頭に並べます。利益を上げるために、廃棄する量を増やしてでも、買う人のために売ります。今年ニュースにもなった、「恵方巻き」の廃棄量の問題が良い例です。「人間が食べない分まで作る」というのは、本当におかしい状態です。先住民の祖先が知ったら、泣かれるかもしれません。「食べ過ぎて、病気になって、環境を破壊して、われわれの子孫は一体何をやっているんだ」と。
 
 
私の祖母の世代は、戦時期を生き抜いた世代です。祖母らが「残さないで食べること」と、食料過多の時代を生きる私たちが「残さないで食べる」というのは、意味合いや結果が全く異なってきます。私たちは、不必要な分まで食べれば食べるほど、「廃棄量が増えても売る人を増やす」という結果を招きます。
 
 
食べなければ、買わなければ、企業は損をしますから、店頭に並べる量を調整します。もちろん、そうなる前に、美味しそうな広告を出して、私たちを誘惑すると思います。でも、「私の身体にとって、それは喜ばしいことか?」ということを考えてみてください。戦時中の人は、少しでも食べると身体が喜びました。だからそれが正解です。でも、私たちは食べないという選択によって、身体が喜ぶということがあり得ます。
 
 
「出されたものを残す」ことや、「買ったものを残す」というのは、抵抗がある方も多いと思います。私だって、周りの人のことを考えて、残さず食べる時はあります。でも、私はそもそも「一人前の量」から疑いの目を向けます。デスクワークや車社会でほとんど歩かない生活の人が、そこまで食べる必要はないのに、食べています。食べてしまうから、いつまでたっても、その人にとっての「一人前の量」も、世間にとっての「一人前の量」も、変わりません。そして、何十年も不必要に食べる習慣を続けることで、あらゆる不調が現れてしまいます。
 
 
私のこの考えは、マイノリティ的な価値観だと思います。多くの人が、「そうは言うけど実践できないよ」と思うでしょう。でも、そうやって、”現代版・先住民”的に生きる方法だってあるのです。損得や勝ち負けに目がいく現代では、「うまく生きること」が注目されがちです。でも、私はうまく生きることに、何の興味もありません。うまく生きることよりも、私は人間らしく生きたい。人間はロボットじゃなくて、生きる喜びや悲しみを感じて生きるもの。「生きてる!」と感じて生きたいのです。生きているときにしかできないことを体験したいのです。ということで、ここまでお話をした上で「残して捨てる勇気」を持っていただけたらと、思います^^
 
 
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