デスクワーカーは呼吸に注意

デスクワークなど、
あまり身体を動かさない、かつ、
集中する仕事をされている方は
呼吸が浅い方が多いと感じます。


呼吸が浅いと、呼吸筋が硬くなります。
呼吸筋はインナーマッスルなのですが、
インナーマッスルは、関節の柔軟性を保つために必要な筋肉です。
 
わかりやすいのが肋間筋。
肋間筋は、肋骨と肋骨の間にある筋肉です。

本来、肋間筋がきちんと収縮する状態であれば、
肋骨はかなり柔軟に動かすことができますし、
また、逆に肋骨を固定した場合、骨盤の可動性がかなり柔軟になります。
例:フラダンスやベリーダンスのような腰を動かす動作

しかし、呼吸が浅い人は肋間筋がまるでジャーキーみたいに硬くなっており
肋骨がほとんど動かない、ただの”カゴ”になってしまっています。
(本来の肋骨は、かなり柔軟に形を変えるカゴなんです)

すると、背骨や肩甲骨、骨盤の動きにまで影響を与えるので
しなやかな動作ができなくなります。
 
車によく乗る方で、後部座席にある物を取ろうと振り向いて腕を伸ばしたとき、
ギクッと痛みが走り、それをきっかけに五十肩になる方がいますが、
そういう方は、必ず肋間筋も硬くなっています。

私のレッスンでは、呼吸と動作の連動を理解するためのエクササイズを指導します。

何度も繰り返し練習していくことで、肋間筋がほぐれ、
背骨の柔軟性や肩甲骨の可動域がかなり増え、
もちろん五十肩の症状も、完治する方もたくさんいます。
 
そして、その後も日常的に身体に意識を向ける習慣がつくと、
回復した柔軟性を二度と失わずに生活していくことも可能です。
 
そもそも、毎日長時間イスに座って、ほとんど動かない生活をすること自体が
原始時代にはあり得なかったわけで、デスクワークって、
そういう視点から見るとかなり異常な行為なんですよね。

「現代はそうも言っていられないのよ!」というお気持ちもよくわかります。
が、工夫できることに目を向けて、身体の仕組みを少し知って、
自分の身体をうまく扱ってほしいな、と思います。
 

1枚目(左):背中に空気を入れるように鼻から吸った時の状態。
2枚目(右):口から吐いて肺の空気を出し、肋骨を最小にした状態。


この呼吸法は、書籍『美脚バイブル』にて
写真と詳しい解説と、動画でわかりやすく紹介しています。
ぜひ実践してみてください。