日本人の足のトラブルが止まない理由を書いてみた

昨日は外反母趾セミナーを実施しました。

このセミナーは足のあらゆるトラブルを
解消するための1DAYセミナーです。

外反母趾、巻き爪
魚の目、タコ、角質など

様々な足の悩みをお持ちの方が参加されました。

 
足は26個の骨(種子骨を省く)から成しており
すべての骨には、あるべき正しいポジションが決まっています。

しかし、フラットな硬い地面や足の構造に合わない靴などの影響によって
26個の骨たちが、本来あるべき位置から大幅に外れ、
それによって身体に様々な悪影響が生じている方が多くいらっしゃいます。

足を正しく使えていれば、外反母趾・巻き爪・魚の目・タコなどはもちろんのこと、
角質も一切生じないのが本来です。

角質ケアという言葉はよく耳にしますが、
本来は角質が生じている時点で、それ自体が問題であり、
角質をケアしたとしても、足の使い方が変わらない限り、角質が再び生じますし、
それによる骨の変形自体は放置されたままなので悪化する一方になります。

また、足の裏を縮めた時に、足裏全体にシワができることが望ましいですが、
日常的に足裏を使えていない方は、シワが作れないエリアがあります。

これらはすべて、足の使い方を変え、足の環境を整えることである程度、改善ができます。

足は身体の土台となるとても大事な部分です。
歩く度、地面からの衝撃を一番最初に受ける場所であり、
足の使い方が間違えていると、衝撃を適切に分散できず、
足自体の変形や、膝、股関節、腰、首など、上部にも悪影響を及ぼします。

26個ある骨のポジションが、1ミリでも狂えば、
上に伝わる衝撃の影響は何倍にも増します。

逆に言うと、足の変形を1ミリでも整えることができれば、
上に伝わる衝撃の悪影響は、何倍も抑えることができるということです。

26個の骨の正しいポジションとはどういう状態なのか、
本来、足をどのように使えば良いのか、
足はどのように変形するのか、
どうやって変形した足を改善していけば良いのか、など

このような知識をきちんと知っている人は、
トレーナーやダンサー、アスリート、医師でさえも
理解している人が少ないと感じています。

この外反母趾セミナーで指導していることを、愚直に実践してもらえれば
足だけでなく、身体全身にも、大きな変化をもたらすはずです。

昨日参加された方々には、ぜひケアやトレーニングを実践し続け、
成果を報告してもらいたいと思っています。

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足が与える、全身への影響は、おそらく、多くの方の想像を超えています。
それほど、足は大事な部分であるのに、正しい立ち方や歩き方を指導するメソッドは
極端に少ないと感じます。

例えば、日本で流行っているヨガでは、

・かかと、母趾球、小趾球に体重を乗せる
・指はしっかりと開く

と言う風に教わる方も多いと思いますが、私はこの立ち方は間違いだと考えています。

まず、手で言うところの拳の関節(MP関節)は、足の場合、アーチを形成しています。(横足弓)

指を開くと中足骨と中足骨の隙間が増します。
すると、中足骨と中足骨の間にある筋肉がうまく働けなくなり、
横アーチが形成できなくなります。

横アーチが崩れた状態が常態化すると、開帳足などの変形を招きます。
 
また、「母趾球、少趾球に体重を乗せる」という意識だと、足の指を使う意識が持てません。
土踏まずのアーチ(内側足弓)を形成する筋肉の一つである、長母趾屈筋は、
母趾の末節骨底に停止しています。

つまり、母趾球への意識のみだと、長母趾屈筋の働きが弱まり、
母趾の反り指(IP関節の伸展)につながりやすくなります。

外反母趾とは、中足骨の回外・内反、基節骨の回内・外反の状態ですが、
母趾のIP関節が伸展すると、土踏まずのアーチ(内側足弓)が不安定になり、
中足骨の回外・内反、基節骨の回内・外反というねじれが起きやすくなります。

このような足の骨の”ねじれ”や”崩れ”を招きやすいため、
私は母趾の先端に意識を向けさせる立ち方を推奨しています。

母趾の先端を地面につけると長母趾屈筋が正常に作用し、IP関節はわずかに屈曲します。
そして、内側足弓を形成する母趾外転筋、長腓骨筋、後脛骨筋によって、
外反母趾のねじれを防ぐことができます。

その立ち方をすると、母指球にはさほど体重はかかりません。
そして、土踏まずのアーチ(内側足弓)が最も頑丈になるため、
つま先に対して膝を内側に向ける動き(大腿骨の内旋)をしても、
土踏まずのアーチは崩れなくなります。

ところが、母趾の先端を地面につける意識を持たずに母趾球で体重を支える意識のままだと
膝を内側に向ける動き(大腿骨の内旋)をした時、
中足骨が回外・内反方向へと崩れやすくなります。

その理由は、長母趾屈筋がきちんと作用できないということが考えられます。

このような論点を踏まえた上で、きちんとした立ち方を指導していくことは
日本人の身体の美しさ、ひいては健康寿命までも影響を与える、
大変重要なことだと、私は考えています。
 
医師や医療従事者に足りないと感じる点は、故障した状態はよく知っているが、
どのような動作でどのように関節が崩れていくかという、
動作についての視点ではないかと思います。

足や足指の使い方は、私自身もまだまだ研究、検証が必要だと感じています。
私の役目としては、動作という視点から身体の正しい使い方を研究し、
伝えていくことだと思っています。

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ご参加の皆様、ありがとうございました!