安全に確実に関節の柔軟性を上げていくためには

身体の全ての関節は、曲げるためにあります。
ただ人間の関節は、ロボットのような動作ではなく
なめらかな動きができるように、
関節の”遊び”が存在します。
 

そのため、例えば立っている状態から膝を曲げる時、
まっすぐ曲げるという動き以外に
膝を内側斜め方向に曲げることもできるし
膝を外側斜め方向に曲げることもできます。
 
手の指の末端の関節と2番目の関節の構造は、
まっすぐの方向にしか曲げられない構造をしていますが、
それでも例えば、鉛筆を持つ時などに指がねじれ、
何度も何度も、長時間その状態を繰り返すことで、
本来はねじれてはいけない方向に関節がねじれてしまいます。
 
そうやって、人間は日常生活の無意識の動きの中で
知らぬ間に身体の使い方のくせをつけていき、関節がねじれていくということです。
 
全ての関節の動きには、
関節が正しい位置にはまり、頑丈になる方向と、
関節がズレたりねじれたりして、故障しやすい方向が存在します。
 
各関節をどのように、どの方向に動かせば良いのかということを学んでいくと、
自分の身体の操り方がわかり、その通りに動かしていくことで、
自分の身体を変えていくことができます。
 
例えば、180度開脚をやりたいけどできなくて困っている人は
「自分の全ての関節がどのようになっているか」ということに目を向け、
認識し、正しい方向へと改善していくというステップが必要になります。
 
各関節の正しいポジションを知らないままで
無理やり筋肉を伸ばして開脚可動域を広げようとする行為は
場合によっては故障を招きますし、正直に言うと、
時間の無駄と言っても良いほど、とても効率が悪いやり方です。
 
構造を無視した身体づくりは一見簡単に見えますが、成果が出ません。
 
180度開脚前屈を達成するための最も大切な条件は、
「長座状態で、骨盤のニュートラルを保てること」です。
次に大切な条件が、
「骨盤のニュートラルの中での大腿骨の外旋と外転ができること」です。
 
これが理解できずに、無理やりどうにかしてやろうとしても
一向に身体は変わってくれません。
 
また、股関節の柔軟性を保つためには、足の拳の関節の柔軟性が大きく影響しています。
拳の関節に柔軟性がないと、股関節の柔軟性は得られません。


 
もし、拳の関節が変形し、硬い状態のまま開脚可動域を広げようと頑張り続けていくと、
いつか故障する可能性が大いにあります。
 
このように、構造や動かすべき方向を理解して自分の身体をその通りに操ることが大事です。
 
私が作った開脚プログラムでは骨の構造の解説と動かす方向を理解し
それを叶えるためのエクササイズを多数、動画で紹介しています。
 
180度開脚プログラム
 

また、肩甲骨の可動域をあげるには、
肋骨の歪みを整える必要があるということはご存知ですか?
 
肋骨の正しい位置を理解しないで肩甲骨を自由自在に動かすことはできません
そして、その重要な肋骨の位置を正しくするためには、
骨盤のニュートラルを理解する必要があります。
 
さらに、肋骨の間にある肋間筋は呼吸筋です。
うまく呼吸ができていないと、肋骨の柔軟性は復活しません。
 
このようなことを無視して、肩甲骨の可動域をあげて、それを定着させることはできません。
もしやろうとしてしまうと、腕の関節が故障する可能性が高まります。
 
肩甲骨の動かし方についても、構造と動かす方向や改善法をまとめた良いプログラムがあります。
 
肩甲骨プログラム
 

 
多くの方が身体の使い方を理解して、適切に動かす訓練を経て
安全に身体づくりをして欲しいなと思います。