知らないだけでできることはまだまだたくさんある

今日初めてレッスンに来られた60代の生徒さん。
2日前くらいにぎっくり腰になり、痛み止めの注射で
なんとか歩ける状態でお越しになりました。

そして膝が常に痛く、階段を上るときは
手すりを持って上るという状態でした。

レントゲンを撮っても異常なしと言われ
「痛みとうまく付き合っていってください」
と言われているそうです。

私にとって、整形外科のここが、いつも不思議です。
なぜ目の前の患者さんが痛いと言っているのに
異常なしというのだろうと。。

異常があるから、痛みが出ているはずなのに
なんだか私が見えている世界とはぜんぜん違う
視点で身体を診ているんだろうなと思うわけです。

それと、一番不思議なのは、
静止状態でしか身体を診ない点。

人は動きのくせがあり、動きの中で故障しているので
動きを見ないとわからない部分が多々あります。
というか、動きを見た方がわかることが多いので
適切な解決策を素早く見つけることができます。

「できることはきっとたくさんあるだろう」と思い、
レッスン(今回はほぼ施術)をスタートしました。

まず、階段の上り降りで膝が痛い方は
ほとんど決まって、足の拳の関節が硬いです。

日常生活の立ち方(身体の支え方)歩き方がおかしいため
拳の関節の機能を失っており、そのため着地の衝撃が
足で吸収できない分、膝や股関節の負担が増えている状態です。

痛みを持つ方の拳の関節の機能を取り戻すための施術は
かなり痛みを伴うのですが、その生徒さんは私を
信頼してくれていて、耐えてくれました。

その他にも必要な施術を終え、動きのチェックをすると、
最初、前屈マイナス30センチくらいだった身体が、手の指の付け根まで
べったりつく程度まで回復し、背そらしに関しては、
全く反らせなかったところきちんとそれるようになりました。
(予想以上に良い結果でした)

ぎっくり腰の痛みもかなり軽減され、腰をかばっていないことが動きでわかりました

このように、やれることがいっぱいあるのですが
医者に「もう治らないからうまく付き合っていかないとね」
と言われると、多くの人があきらめてしまうのだろうと思います。

急性の痛みほど回復できる可能性が高く、慢性の痛みほど、手強いです。

例えばこの生徒さんも、あと2年くらいこのまま何もせず過ごしていたら
変形がかなり進み、そのころには私の施術が痛すぎて耐えられないほどに
なる可能性もあります。

今、この年齢でこれくらいの状態ということは
10年後、20年後、こうなるだろうという予想はある程度見当がつきます。

人の身体の未来が見えちゃったりするので
ちょっとでも今やっておいてくれたらなぁと思うわけです。
(これを読んでいる方も)

周りに流されず、自分の身体は自分で守れる人の方が
ハッピーな未来が待っていると私は思います。
(もちろん、身体だけの話ではないですが)