開脚できるかどうかよりも、「動かし方」を知っているか

私の生徒さんで60代の生徒さんがいます。
桃子のレッスン歴は、4年以上です。

本人はなかなか認めてくれませんが、
お上品でラグジュアリーなオーラがあって
明るくて、前向きな方。

大使館のインド人先生によるヨガ教室、
クラシックバレエも4年前から学び始め、
そして私のレッスンを受けていらっしゃいます。
たまにゴルフもされたりして、めちゃアクティブなんです。
(英会話の勉強もしたり)

そんな素敵なマダム。
でも、最初はめちゃくちゃ体が硬かったんです。
マダムの股関節を外旋させるときの私はまるで、
マグロを釣る時みたいに思いっきりのけぞって
マダムの脚を外旋させていました。(笑)

指曲げケアをすると、曲げた場所が最初はすぐ腫れていました。
彼女の体質はもともと、とてつもなく「頑丈」なんです。
お父様に似たとのことで、その体質は遺伝が大きいと思います。
基本的に関節はどこも固いです。

でもそれが彼女の体のいいところで、
頑丈だからこそ、歪みづらいし、壊れづらいんです。
(ちなみに体はかなり細く、食べても食べても太れない体質。
 すぐ体が温かくなるので、女性としては珍しい体質かも。)

そんなマダムが4年間レッスンに通い続けた今は、
だいぶ体が柔らかくなり、当時よりも大分、
自分の思い通りに動かせる体になりました。
前屈は手が地面にべったりとつき、背そらしも結構できます。

マダムはとても努力家です。
私から学んだことは24時間実践します。
階段を下りる時は必ずつま先から。
ワンちゃんの散歩時も、肩のニュートラルポジションがずれないようにしっかり意識。
朝起きたら必ずカエル潰れたストレッチを欠かさない。
今や骨盤のニュートラルポジションも、肋骨の正しい位置も、
そして何よりも、呼吸と合わせて体を連動させる体の動かし方も理解しています。

「毎日体に意識を向けて努力すれ人ってこんなに変わるんだ~」
という勇気をいつもマダムからもらいます。
しかし、そんなマダムがどれだけ頑張ってみてもなかなか改善しないことがあります。

それが、180度開脚です。
体の中で特に、股関節と腰骨がかなり硬いので、
開脚可動域だけはなかなか上がりません。
ヨガ教室でも、ブリッジとか鳩のポーズとか、周りのみんなができるポーズを、
自分だけはできないということが多々あるそうです。

そのような柔軟性が必要な動きやポーズは骨格上、できる人とできない人がいます。
でもマダムはできないけれど、「体の動かし方のルール」をマスターしています。
柔軟性が必要なポーズができるかどうかではなく
そのポーズを行う時の体の使い方のルールをきちんと知っているかどうか。
私はこれが最も大事だと考えています。

柔軟性が必要なポーズができたとしても、
体の使い方のルールを知らず、無理に行い続けて
体の歪みを助長させている人もたくさんいます。
すると、「体はある程度動かせるけど、シルエットはダメダメ」
なんていうことになったりします。
場合によってはスジを痛めたりして故障も起きます。

マダムは体が固いところはあるけど、美しいボディラインです。
肋骨や背骨が固く、そのため肩甲骨が少し上がり気味なのですが
そのことを本人がしっかり認識しており、
どのように体を使えばそれが改善されるかということを知っています。
だから日々その意識を持ちながらヨガやバレエを頑張っておられます。

そんな風に周りに流されず、自分の体をしっかりと見て
小さな努力を積み重ねてきたからこその、今の体。
本当に本当に、いつも拍手を送りたい方です^^

「60代でも美しい体」は、みんなの勇気になりますよね♪
これだけ固い人でも変われるのだから、多くの方にとって
体は動かし方を知り、繰り返し練習すれば、
その分だけ着実に変わっていけるはずなんです。

そして、時間をかけて変えたことはそう簡単には戻りません。
そうやって、別人と呼べる人生へシフトチェンジしていくんです♪